患者様の中にはインプラント治療は痛い、怖いなどのイメージから踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
当センターでは“ドルミカム”などの点滴用薬剤を用いた鎮静法による治療を実施しております。
これは「静脈内鎮静法」と呼び、全身麻酔とは異なり、意識はしっかりとある状態で、うたた寝をしているような、とてもリラックスした状態で治療を受けることが出来る方法です。
このほかの鎮静法には、笑気吸入鎮静法があります。
治療に不安を持っている患者様や長時間のインプラント手術に最適な方法です。麻酔専門医による生態モニターを利用した全身管理(血圧・心電図・酸素飽和度の測定)のもと、術中の不快感もなく、快適・安全に施術を終えることが可能です。眠っているのとほぼ同じ状態で、いつの間にかインプラント手術が終了しているといった感じです。
静脈内鎮静法を行うと、手術中のことはほとんど覚えていません。これを健忘効果といいます。 しかし、実際には、手術中は意識がある場合もあります。いずれにしても、うっすらとした穏やかな意識の中で、不安や恐怖心は全く感じることがありません。
静脈内鎮静法は、腕の血管(静脈)に点滴で麻酔液を入れます。5~10分程度で麻酔が効きます。その後はインプラント手術が終了するまで寝ている状態です。手術が終了したら、鎮静薬の効力を無くす薬剤を点滴します。すると徐々に目覚めてきます。これらのコントロールは熟練した麻酔専門医により行われます。
静脈内鎮静法でインプラント手術を行った患者様の感想として、最も多いのが、『いつの間に手術が終わったのか分からなかった』と言う方や、『ひさしぶりによく眠った』『手術が終わるも何も、いつの間に始まったのか分からなかった』『こんなに楽ならもっと早くしておけばよかった』と言う方もいらっしゃいます。次にまたインプラント手術を行う時には、再度静脈内鎮静法でやりたいと希望される事が多いのです。それだけ、静脈内鎮静法を併用したインプラント手術は楽だったということなのでしょう。
恐怖心の強い子供だけでなく大人でも歯科治療に対しては「嫌だな」と思われている方が多いようです。
この歯科治療の恐怖や不安から患者様を解放させるものとして確立されてきたのが、笑気ガスによる「笑気吸入鎮静法」です。
笑気吸入鎮静法は笑気吸入装置で30%以下の低濃度笑気と70%以上の酸素を混合し、専用の鼻マスクを用いて患者様に鼻から吸引してもらいます。笑気の臭いはほのかに甘い香りで、違和感無く気持ちよく吸入できます。吸入後、5分以内に鎮静状態に到達します。また、血中からの排泄も非常に速いので、治療終了後は数分で帰宅することができます。
笑気麻酔は、患者さんの意識は保たれた状態にあります。恐怖心や不快感といった精神的ストレスから解放され、穏やかでリラックスした状態になります。
局所麻酔などの刺激に対して、痛みはあまり感じなくなります。時間の経過も気にならなくなるので治療時間が長くなっても受け入れることができます。実際に患者様が経験する状況としては、お酒を飲んだときのほろ酔い気分に似た多幸感がある状態になるようです。